ふたつの天狗の鼻を折る

 今日は少し鋭くペン先を研いで書いてみよう・・・ 

 

 俺が最近 自分の歳を考えるようになったのは、去る一月にヨーロッパへ行って 日本に帰って来てからだ。

 二年前にヨーロッパへ行った時は、出国してから帰国するまで時差というものを全く感じなかった。

 それが今回感じたのだ。

 

 ・・・考えれば 俺も還暦前に 自分の入る墓を建ててから、長閑(のどか)な毎日を過ごすようになった。

 

 俺は暴力団時代、超武闘派組織の幹部として 常に第一線に立っていた。

 だから刹那的な考えで生きて来た。

 それが竹中組や中野会若頭補佐の宿命だったからだ。

 

 ヤクザの世界というのは、義理と人情の世界である。

  

 冠婚葬祭に出席する事をヤクザの世界では「義理事」に行くと云う・・・

 この冠婚葬祭への出席がヤクザの仕事のひとつなのだ。

 義理事に出席して「男を売る」と むかしは云ったが、今の時代 ガソリン代も無く「泣いている組員」が多くなって来た。

 世知辛い世の中になったものだ。

 

 俺は暴力団組長時代、若い者から上納金はおろか うどん一杯おごってもらった事はない。

 俺は、田岡一雄自伝を地で行く竹中正久に心酔していたからだ。

 

 こんな俺が最近 頭に来た事がひとつある。

 これは内緒話しだが、嫁に30万円ポッキリの金を借りたまま 放ったらかしにして、あろう事か 俺の悪口を云って鳩を飼っている奴が居たのだ。

 俺も馬鹿だから、本人に忠告を兼ね この事を伝えた。

 しかし 後の祭りだったようだ。

 この男は昔 ラウンジのマスターをしていたので、口だけは達者だ。

 金を返しに来たら、この男の名前を公表し 俺の小心を詫びよう・・・

  

 ・・・俺は暴力団組長時代、若い者に金を貸して来たが 一度も請求した事がない。

 これが俺の心意気だった。

 

 若い者に貸した金を請求するというのは、その時点で親方としての器量を下げるからだ。

 

 俺の日課だが、明けても暮れても「子ども見守隊」として児童の下校時、旗を持って立っている。

 人間とは可笑しな生き物で、児童の元気な顔を見るのが楽しくなって来た。

 俺も子供の頃、こんな感じで学校から帰っていたのだと思うと 無性にその頃が懐かしくなる。

 人間 子供心に帰るというのは、純心になれて良いものだ。

 それに 五仁會の活動の一環として、刑務所から帰って来た子を引き取って仕事をさせている。

 俺の所で仕事をしている子は、皆んな良い子なので 俺も鼻が高い。

 

 余談だが、姫路市に税金を払うのが嫌で 郊外に工場を移転した大手食品会社がある。

 今は ここも町村合併で姫路市になっているが、近くにゴミの最終処分場を作る計画があるので それを反対している。

 食品のイメージを損ねるので、その云い分は最もだ。

 しかし 姫路市政を混乱させるのは良くない。

 

 この会社で 俺と嫁は長い間、中元や歳暮の品を100件以上オーダー注文して来た。

 しかし返信用ハガキを入れて 五仁會発会式の案内状を送ったが、梨の礫(つぶて)だった。

 だから俺は ここの社長の常識を疑った。

 写真は その会社にオーダー注文した商品に貼っていたシールだ。

 

 俺のガス抜きは、趣味が悪いか・・・

 このブラックジョークは 姫路市民しか解からないだろう。