渡哲也主演・仁義の墓場と云うのは、石川力夫という実在した人物を描いた映画だ。

 

　俺も 若い頃、渡哲也演じる石川力夫に憧れ、石川力夫以上のポン中だと云われた事もある。

　姫路では かって俺の右に出るポン中は居なかっただろう・・・

　それぐらい俺は 人を斬りまくった。

 

　いわば 竹中組では伝説のポン中だった。

 

　こんな俺を 竹中正久と云う親分は、心底慈しんでくれた。

 

　覚醒剤というのは、一度その虜(とりこ)になると 中々止められないものだ。

　幸い俺は、自分の強い意志で 覚醒剤とは20代の頃 完全に縁を切った。

 

　それにしてもだ！

　いくら 俺が度胸があり 怖い者知らずだからと云っても 何の確信もないのに、人に親方と云われる人間が名指しで、それも俺の可愛い娘に対して どんな顔をしてポン中だと云ったのだろう・・・

 

　俺は水田の理性を疑うよ。

　水田よ、俺が むかしのようにポン中だったら、ヒロポンの効き目で お前は今ごろ確実に あの世行きだぜ・・・

　それ程 ポン中は集中力があり、一旦 狙った獲物は逃がさない。

 

　俺を 只のネズミだと思っていたら怪我をするぞ！

 

　これは三代目村正会々長・水田忠好に忠告しておく。

　それと山健組の本部長でもないのに、YAKUZAWIKIに本部長と載せるな。

　若頭補佐と云う立派な肩書きがあるのに、それの方が上だと俺は思うぜ。

 

　文句があるなら いつでも喧嘩支度で来い。

　但し、前みたいに組員を10数人も連れて デモストレーションで事務所には来るな。

 

　若し、お前も俺に腹が立つなら いつでも命を狙いに来い。

　腹を括って 来るなら堅気になって ひとりで来いよ。

　でないと 山健組は組織犯罪処罪法違反で組長以下全員パクられるぞ。

 

　これは四代目山健組の井上邦雄組長への、俺の謙譲の念から出る言葉だ。

 

　俺の兄弟分に、会津小鉄会・本部長で 寺村組三代目の道原利光と云う男がいる。

　道原利光と この井上邦雄や山本国春が兄弟分なので、もちろん俺とも浅からぬ縁がある。

 

　だから この井上邦雄とは、俺が古川組を破門になってからも ずっと暑中見舞いや年賀状の遣り取りをして来た。

 

　それに 中野会当時、高口節生始め 中野太郎の子飼いの若い衆が、桑田兼吉よりも この井上邦雄の器量を皆 誉めていたからだ。

 

　ついでに云っておくが、義竜会から行って若頭をしていた橋本久志や 疋田組の若頭から行った三ヶ島健二を小僧扱いするのは止めておけ。

 

　仮にも若頭をしていた者だぞ。

　これがヤクザとして一番大事なことで、いくら自分の若い衆でも場所柄 若い者を立て 自分の貫目を高めると云うことが、親方修行の一番大事なことだと俺は思うよ。 

 

　それを昔の渡世人は、男を売るチャンスだと捉えたのだ。

　これからは こういう田岡一雄自伝の中にある故事を知り、男を磨いて行く事だ。

 

　ついで乍ら、腹にたまっている古い話しを書いておく。

 

　12年余り前の現役の頃の話しになるが、一旦 俺に頭を下げに来たなら最後まで低姿勢で 若い者を養子にくれと 筋道を立て話すものだろう・・・

 

　それをあの時も沢山の若い者を連れ 山健組の代紋を笠に着て、高飛車で話して来たなぁ～

 

　それこそ あの時も、俺がヒロポンでも打っているのだろうと 邪気を回したはずだ。

　唯ひとりで応対して 、見栄を切って 俺は胸をついたからだ。

 

　・・・夜10時頃話して、朝の5時過ぎには もう警察が俺を逮捕しに来たので、俺は出来すぎた話しがあるもんだと その晩留置所で考えたよ。

 

　あの時 俺の体からヒロポンの反応が出なかったので、警察が驚いていたよ。

　それで仕方なく、村正会が面倒見ていたという売春婦の客引きに対する恐喝未遂事件で 俺は2年2ヶ月もの間 否認したが実刑を打たれた。

 

　俺を訴えたポン引きの藤本のおばはんも 村正会に相談に行ったが、竹垣なら相手が悪いと断られ 俺の事が怖くて警察に飛び込んだと云っていた。

　

　水田よ！俺はお前にポン中だと 俺の娘に云われて腹を立てている。

　逆の立場なら どう思う・・・

 

　最後に写真の説明をしておく。

　これは、危険ドラッグ姫路撲滅キャンペーンを 五仁會が主催した時の様子だ。